平和は心の中に築かれる
日本人初の国連難民高等弁務官の緒方貞子さんが昨年10月に亡くなった。
世界から哀悼の意が寄せられた。自国第一主義が世界中に蔓延して難民への関心は薄れていく。現場主義をモットーに防弾チョッキを着け紛争地域で活動する緒方さんの映像は胸に迫るものがある。難民の人達に寄り添い、いつも耳を傾け解決策を考え抜く。
彼等の命を守ることを第一とし、各国の首脳と交渉する。困難なことを乗り越える方法を考えよと訴えているようだ。
世界が“内向き”になる中、自分の国だけの平和などありえないことは、今回のウイルス感染拡大の事象で思い知らされた。どこか遠い国の話ではなく、一人一人が私に出来ることはないか考えようではないか。小さなことかもしれないが、それが緒方さんが残したメッセージに思えてならない。
世界中の難民地域に「サダコオガタ」という名前の少女が何人もいるという、難民の母達から請われて緒方さんが命名した赤ちゃんが元気に成長している。世界平和とは心の中に築かれる。そのために何が出来るか考えよう。